障害者が農業の担い手に――次世代の農業の形を創造したい
株式会社ストレートアライブ代表の近藤です。
弊社は障害者の就労を支援する会社で障害者とともに『安心安全な野菜作り』をモットーに自然栽培野菜(無農薬・無肥料栽培)の栽培に取り組んでいます。
起業のきっかけは「障害者の方の能力を発揮できる就労の場がもっとあるのではないか。」という疑問を持ち「農業を取り入れて自分が作っていきたい」という思いから【障害者就労継続支援事業所とものわ】を立ち上げました。
設立当時から今もなお続いている問題として、日本の農業は高齢化が進み深刻な担い手不足に直面しています。一方で障害者の方は今でこそ障害者就労で活躍する場面が少しずつ増えてきていますが、当時は働く場所が限られており、就労の面で活躍する場面がとても少ない状況でした。そこで『農業×障害者』をマッチングさせることで状況は変わってくるのではないかと考えました。
しかしながら当時の取り巻く状況はとても障害者が農業を仕事にするという環境ではありませんでした。なかでも農地を探すのがとても苦労しました。『障害者に農業ができるわけない』、『どこの馬の骨ともわからない人に農地を貸したくない』と辛らつなご意見も沢山頂戴致しました。
ただそんな状況の中でも自分の思いは変わりませんでした。「必ずやり遂げる、障害者とともに農業がしたい。」そんな思いに賛同してくださったのは現在の原点となる豊田市手呂町にある地主さん及び地域の方々でした。
そんな経緯もあり応援してくださった地元の方々に恩返しをしたい。地元に愛される農業をしたいという思いを大切に今日まで歩んで参りました。ささやかではありますが毎年秋には地元の人を交え収穫祭を行い、地元地域の方々に私たちの育てた野菜を使った料理でおもてなしをして、地域で活動させて頂ける感謝の気持ちをお伝えする機会を作らせて頂いています。
今では政府が掲げている『農福連携』の取り組みが注目されるようになり、障害者の活躍する場面が増えてきました。『できる人が、できる場所で、できる活躍を』。障害者とともに未来の農業の形をこれからも築いていきたいと思います。